Tenrikyo Europe Centre

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2025年7月月次祭神殿講話

ラ・セーヌ布教所長 篠田克典

教祖140年祭まで残すところあと半年となりました。3年前の10月に御本部の大祭で真柱様から諭達第4号を御発布いただき、教祖140年祭への三年千日の歩みが始まりました。私達ヨーロッパ在住者も、このヨーロッパ出張所で行われた布教推進会議に於いて、「月次祭に参拝しよう」「家族や知人を誘って参拝しよう」などの成人目標を掲げ、それから、それぞれの教会・布教所・講社単位で月次祭・講社祭参拝者数、初参拝者数の心定めをいたしました。

先ほど皆様と一緒に拝読しましたこの諭達第4号の中で、真柱様は

ひながたの道を通らねばひながた要らん。(略)ひながたの道より道が無いで。

とのおさしづを引用し

教祖年祭への三年千日は、ひながたを目標(めどう)に教えを実践し、たすけ一条の歩みを活発に推し進めるときである。

と仰っています。

私達お道の信仰者は教祖のひながたを求め、ひながたを辿ろうと申し合わせているのですが、では教祖のひながたとは何でしょうか。

私の直属教会である岐美大教会の今年の1月の大祭に御本部から宮森先生がお入り込みになり神殿講話をしてくださいました。その時のお話の中にこういうお言葉がありました。

教祖には、私達に伝えたいこと、教えてやりたいこと、分かってもらいたいことがありました。それは、元の神、実の神である親神様がおられるということ。その親神様が、泥海の時代から今日まで、ずっとご守護下されているということ。そして、私達の心の入れ替えで、陽気ぐらしは出来るのだということです。

それは、教祖ご自身が貧に落ち切られ、親戚、縁者、村方の猛反対の中でも、官憲の激しい取り締まりの時でも、25年の定命を縮めてまでも伝えたかったことなのであります。その為に、どんな御苦労の道もお通り下されたのです。

中山家の財産を施して貧に落ちきっていかれる。そのことが理解できずに猛反対する親戚や村方。官憲の激しい取り締まりは、教祖を許しません。冬の寒い監獄署の板の間で、教祖は履物にひささんの帯を巻きつけ、それを枕としてお休みになったとあります。夏も監獄署の中で蚊に刺されるままにお過ごし下されているのであります。89歳の御歳まで十数度、激しい官憲の取り締まりを受けておられるのです。

その時々に、教祖はどんなお気持ちだったのでしょうか。それは常に、親神様の思いを分かってほしい、伝えたい、これのみであります。これが、ひながたの道であります。

教祖御在世当時は教祖の教えやおつとめが時の政府に理解されず、度々警察がやってきて教祖を監獄へ連れて行かれました。教祖は御自分を拘引に来た警察の人々にも丁寧に接し、いそいそとお出かけになられたそうです。また、御歳89歳の時の冬は三十年来の寒さだったそうですが、監獄署の冷たい板の間で、明るく暖かい月日の心一條(ひとすじ)に勇んで御苦労されたということが稿本教祖伝にも書かれています。

教祖が度々監獄署へ連れて行かれ過ごされたことを「御苦労」されたという表現を使って申し上げますが、これは過酷な中を通られたことに対する人間側からの観点であって、教祖ご自身にとっての本当の「御苦労」は、ひょっとすると、理解のない人々に親神様の御守護をわからせ、憂き世と言っているこの世の中が本来の陽気ぐらしの世界へ立ち直る道がありそのことを伝えることだったのではないかと思われます。

宮森先生は、

親神様のご守護を分かってほしい、陽気ぐらしができるのだ、たすかる道があるのだということを分かってほしい。この「分かってほしい、伝えたい」、これを辿れば、ひながたの道を辿ることになります。

とおっしゃいました。つまり、これをさせていただこうというのが年祭活動であり、成人への道ということになります。

今年の夏、8月にはヨーロッパ出張所でヨーロッパセミナーが行われます。私もかなり以前になりますが、セミナーでみかぐら歌の講師をつとめさせていただいたことがあります。

物事を人に本当に伝えようとする時、どうすれば分かってもらえるか、どうすれば伝わるかを一生懸命考えて準備をします。それは昔日本語教師をやっていた当時の授業の準備もそうでしたが、セミナーの講師をつとめる際も、自身が改めて勉強し直し、準備に時間を費やしました。

結果、おそらく受講された方々より自分自身が一番勉強になったような気がいたします。

このお道はほとんどの人が最初はたすかりたいと思って信仰を始めますが、それがやがて人をたすけたい、人にたすかってもらいたいという気持ちに変わるのが成人した姿だと言われます。すなわち、「この人に分かってほしい、この人にも伝えたい」と心から願い、つとめることが成人なのです。

ヨーロッパ出張所の教祖140年祭活動方針の成人目標にあります「家族や知人を誘って参拝しよう」を実践するには、親神様とその御守護のことをお話しし、陽気ぐらしへの道のことをお伝えする過程を踏まえることになると思います。それはつまり教祖のひながたを辿ることになり、成人への道となります。

教祖140年祭までまでの残り半年、共に一人でも多くの人に声をかけ、教祖にお喜びいただきたいと思います。

ご静聴ありがとうございました。

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