Tenrikyo Europe Centre

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2025年10月大祭神殿講話

英国連絡所長 サイモン・パターソン

天理教には、1年に2回大祭があります。ご本部の秋季大祭は、中山みき様が月日のやしろになられた日にちなんで、10月26日に勤められます。みき様はそのとき40歳で、中山家の妻であり、4人の子供の母でした。私たちはそのお方を親しみを込めて「おやさま」とお呼びしています。今から2週間後の10月26日におぢばで秋季大祭が勤められます。

本日、ここヨーロッパ出張所で勤められた10月の大祭は、188年前に始まった天理教の立教を祝う、めでたい日です。

我は元の神・実の神である。この屋敷にいんねんあり。このたび、世界一れつをたすけるために天降つた。みきを神のやしろに貰い受けたい。

これは親神天理王命が、教祖中山みき様の口を通して仰せになった最初の言葉です。教祖が直々にお書きになった『おふでさき』の最初には次の歌があります。

よろつよのせかい一れつみはらせど
むねのハかりたものハないから

そのはづやといてきかした事ハない
なにもしらんがむりでないそや

このたびハ神がをもていあらハれて
なにかいさいをといてきかする(第一号1-3)

これらの歌は、先程おつとめで勤めた「よろづよ八首」の始めとほとんど同じです。

教祖月日のやしろになられました。

そして、『おふでさき』の中で教祖は、親神様の呼び方に、まずは「神」という言葉を用いられました。それから「月日」という言葉をお使いになり、この世に生きる人間は親神様の温もりに包まれていることを分かりやすく示してくださいました。そして最後に「をや」という言葉を用いました。呼び名を変えることで、教祖は私たち人間に成人を促し、この世界は親神様の身体であることを教えました。

おふでさき』に、

いまなるの月日のをもう事なるわ
くちわにんけん心月日

しかときけくちハ月日がみなかりて
心ハ月日みなかしている(十二号67-68)

とあります。さらに、

このよふのしんぢつのをや月日なり
なにかよろづのしゆこするぞや(六号102)

とあります。

少し前に、青年会本部の安井委員長からこんな質問をされました。「あなたが素晴らしいと思う天理教の教えはなんですか。」私はためらわずに、「この世は神の身体である」という教えだと答えました。

それから、なぜ自分はそう答えたのかと考えてみました。私は、天理教の教えには、私たち人間がどう生きるべきかを教えてくれる、とても深い意味が込められていると思います。この世界は親神様の身体であると思えば、この世の全てのものが繋がっていることに気付くことができます。つまり、私たちの行動ひとつひとつはすべて、他のことに影響を与えているのです。私たちは、親神様の身体の中で、親神様に包まれて生活しており、皆それぞれが神の身体の一部なのです。私たちが見るもの、触るもの、食べるもの、飲むもの、嗅ぐもの、全ては親神様の一部なのです。

おふでさき』に、

せかいちうハをやのからだや(第十五号37)

とあります。親神様は、この世界とそれぞれが調和して陽気ぐらしをするように人間を造られました。ですから、感謝、慎み、たすけあいの気持ちを持ちましょう。そして常に、たんのうの心、ひのきしんの精神、そして人をたすける心を忘れずに通りましょう。

教祖は、「人救けたら我が身救かる」と教えてくださり、これは『諭達第四号』の中にも出てきます。私は、この教えは教祖が教えてくださったことの中でも、一番大切なことだと思います。この教えについて思案してみると、自分のことよりも先に人のことを考えるべきだという意味だと気付かされます。これは平和な社会を作るのに必要不可欠な考え方です。世界の人口はずっと増え続けており、家の近所を見ても、道や交通機関を見ても、人が増えているなと感じます。そんな中で、周りの人の気持ちや、自分の身勝手な行動で相手にどれほど迷惑がかかるかを考えずに過ごしていたら、この社会と世界は混乱し、人々の間に調和がなくなってしまうと思います。

今の世の中は、人々が自分や自分の仲間のことばかりを考える傾向が強まっているように感じます。そのために、戦争や衝突も増えてしまっています。お道の教えに目を向けると、教祖はひながたを通して、他の人を思いやり、助け合い、そしてどんな小さなことにも感謝しながら生活を送ることをお教えくださいました。

水を飲めば水の味がする

『諭達第四号』で真柱様は、「ひながたを目標に教えを実践し、たすけ一条の歩みを活発に推し進める」ように促されています。

教祖月日のやしろとして過ごされた50年間は、「ひながた」と言います。この間、教祖は大変苦労され、人々から笑われ、そしられてきました。おびや許しが教えられてから、人々は教祖の話に耳を傾け始め、多くの人が教祖の意見やご守護を求めてお屋敷に来るようになりました。

そしてこの50年のひながたで、教祖は天理教の教えを説かれ、先ほど勤めさせていただいた「おつとめ」を教えてくださいました。

おふでさき』に、

このつとめなにの事やとをもている
せかいをさめてたすけばかりを(第四号93)

とあります。

もう一つの大祭は、春季大祭といい、毎年1月26日にご本部で勤められます。これは、1887年、教祖が90歳のときに、人々の成人を促し、陽気ぐらし世界の建設を急き込むために、寿命を25年縮めて現身を隠された日にちなんでいます。

教祖は、人間の寿命は115歳であると教えられました。当時はそんなに長生きすることは到底無理なことだと思われましたが、今日では実際にその年齢に達する人も見られるようになりました。

来年の1月26日に勤められる春季大祭、および教祖140年祭まであと3ヶ月になりました。

『諭達第四号』に、

教祖の親心にお応えすべく、よふぼく一人ひとりが教祖の道具衆としての自覚を高め、仕切って成人の歩みを進めることが、教祖年祭を勤める意義である。

とあります。

私が代表を務めている、ロンドンの天理教英国連絡所では、皆で進んで協力し合い、教祖140年祭に向けた三年千日の歩みを精一杯進めております。2022年の10月26日に『諭達第四号』が発布された時は、私たちはまだコロナ禍の影響から立ち直ろうとしている最中でした。そのような中で、真柱様の励ましのお言葉に大いに勇気づけられたことを覚えています。

現在、2021年4月から英国連絡所には誰も住んでいません。けれども、現地の信者が心を合わせて、毎日必ず誰かが連絡所に足を運び、おつとめを勤めさせていただくことを決めました。こうして、親神様、教祖、そして海外部やヨーロッパ出張所からいただいている変わらぬ支援への感謝を表していきたいと思っています。

この三年千日で私たちが行ってきた活動として、英国連絡所21周年記念誌である『成人の旬』の発行をはじめ、ガレージセールを2回、毎年3回のファミリーファンデー、また夏には未信者の方々もお招きしてのガーデンパーティー・バーベキューを開催してまいりました。そのほかにも、ヘンドンの公園でのひのきしんデーをはじめ、さまざまな活動を行ってまいりました。

最近では、駐車場、勝手口通路、裏庭の階段や車椅子用スロープの改修工事を行いました。これは、多くの信者さん方からの真心のお供えによって実現しました。

連絡所には、これまでにもたくさんの方が泊まりに来られ、パリからの信者さんもいらっしゃいました。1月の大祭には長谷川所長ご夫妻をお迎えする予定ですが、これからももっと多くの方々をお迎えできることを楽しみにしております。

このように、教祖140年祭を迎えるこの旬にさまざまな活動に勇んで取り組んでまいりました。運営委員も新たにし、教祖140年祭のこの旬に世界たすけの歩みを一手一つに推し進め、そして、イギリスにこの信仰を広めるために成人してまいります。

皆さまが連絡所にお越しくださるのを楽しみにしております。そして、これからも皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

ご清聴ありがとうございました。

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